法定相続分とは

2016年09月23日(金)5:01 PM

 遺言がなければ、法定相続人が遺産分割協議を開いて、遺産を分けることになります。
 遺言による相続分の指定を指定相続分、民法に定められた相続の割合を法定相続分といいます。


法律ではこのように分けます -法定相続分-

 民法の定める相続人ごとの法定相続分は、次のようになります(民法900条)。

相続人と法定相続分
区 分 相続人 法定相続分
配偶者がいる場合 配偶者のみ 配偶者  全 部
第1順位 配偶者と子 配偶者  1/2
子    1/2
第2順位 配偶者と直系尊属 配偶者  2/3
直系尊属 1/3
第3順位 配偶者と兄弟姉妹 配偶者  3/4
兄弟姉妹 1/4
配偶者がいない場合 第1順位 子 子    全 部
第2順位 直系尊属 直系尊属 全 部
第3順位 兄弟姉妹 兄弟姉妹 全 部


 配偶者がいる場合をみてみましょう。配偶者は常に相続人になります。相続人が配偶者のみであれば、全部を配偶者が相続します。
 他にも相続人がある場合は、配偶者との間で、相続順位ごとに定められた法定相続分の割合によって取得することになります。
 同順位の相続人が複数いる場合は、各人の相続分は均等になります。

 例えば、相続人が配偶者と子ども3人の場合、子どもは1/2の法定相続分を3人で均等に分けますので、それぞれの法定相続分は、配偶者1/2・子ども各1/6(法定相続分1/2×1/3)になります。

 相続順位に従って、上位の順位にあたる人が誰もいなければ、次の順位の者が相続人になります。
 第1順位にあたる子(およびその直系卑属)、第2順位にあたる直系尊属が誰もいなければ、第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。
 つまり、妻が亡くなった夫の遺産を相続する場合、夫婦間に子や孫がおらず、夫の両親(直系尊属)もすでに亡くなっていれば、義理の兄弟姉妹と遺産を分けることになります

 なお、兄弟姉妹が相続人となる場合は、兄弟姉妹それぞれの相続分は均等ですが、父母の一方を同じくする兄弟姉妹(半血兄弟)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟)の1/2になります。

 配偶者がいない場合は、相続順位にしたがって相続人が決まり、遺産の全部を相続します。この場合も、同順位の相続人が複数いる場合は、各人の相続分は均等になります。

代襲相続がある場合の相続分

 代襲相続とは、相続人にあたる子が、被相続人より前にすでに死亡している場合や廃除によって相続権を失った場合、その者の子が代わって相続人になることです(民法887条2項)。
 代襲相続人がいる場合、その相続分は本来相続人となる人が受けるべきであった相続分と同じです(民法901条)。

 例えば、すでに亡くなっている子に代わって孫3人が代襲相続する場合、子の相続分が1/2であったとすれば、これを3人で均等に分けますので、孫の相続分は各1/6(子の法定相続分1/2×1/3)になります。

 また、被相続人が孫を養子にしているようなケースもあります。このような場合、子がすでに亡くなっていれば、孫は養子としての相続分と、親(被相続人の子)の代襲相続人としての相続分の両方を有していることになります。

 相続財産の分け方は、遺言で指定することができます。遺言による指定相続分は、法定相続分に優先します。遺言で、ご自身の意思を示しておかれるのがよいでしょう。


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