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2016年10月05日(水)5:28 PM

 遺言の方式は、民法によって厳密に定められています(民法960条)。大きく分けて普通方式特別方式があります。
 特別方式は、遺言者に生命の危険が迫っているような特別な状況下での方法になりますので、通常は普通方式で作成することになります。
 普通方式には、自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言があります(民法967条)。 

自筆証書遺言とは

 自筆証書遺言は、遺言者自身が全文と日付および氏名を自書して、押印するものです(民法968条1項)。
 これには、つぎのようなメリット(長所)とデメリット(短所)があります。

メリット
・いつでも、どこでも、一人で手軽に作成することができる
・費用がほとんどかからない
デメリット
・形式や内容の不備によって、法的に無効となる危険性がある
・基本的に遺言者が保管するので、遺言書が発見されない可能性がある
・遺言書を偽造されたり、隠蔽・破棄されるおそれがある
・家庭裁判所の検認が必要で、遺言の執行まで手間と時間がかかる

 手軽に作成できる反面、不備によって無効となる危険性があります。あいまいな内容であれば、その解釈をめぐって逆に争論が発生する可能性があります。 

公正証書遺言とは

 遺言者が伝えた内容を、定められた要件をふまえて、法律の専門家である公証人が公正証書によって文章にするものです(民法969条)。
 これには、つぎのようなメリット(長所)とデメリット(短所)があります。

メリット
・公証人が作成するため、形式や内容の不備で無効になりにくい
・原本は公証役場に保管されるため、偽造・変造や隠蔽・破棄のおそれがない
・家庭裁判所の検認が不要なため、遺言をすぐに執行できる
・遺言者を自分で文書を書く必要がなく、執筆の負担がない
デメリット
・通常は、公証役場へ出向いて作成するので手間がかかる
・公証人手数料など、ある程度の費用がかかる
・2名の証人を依頼しなければならない

 費用と手間がかかることが一番の難点ですが、他の方法と比べて最も安全性の高い遺言方法になります。 

秘密証書遺言とは

 自筆証書遺言と公正証書遺言の中間的な方法です。自分で遺言書を書いて署名・押印のうえで封印し、公証役場で公証人と証人にその存在を証明してもらうものです(民法970条)。
 これには、つぎのようなメリット(長所)とデメリット(短所)があります。

メリット
・遺言の内容を秘密にすることができる
・遺言書の存在については、明らかにしておくことができる
・自筆でなくても、ワープロや代筆によって作成できる
デメリット
・形式や内容の不備によって法的に無効となる危険性がある
・家庭裁判所の検認が必要で、遺言の執行まで手間と時間がかかる
・遺言書の作成後、公証役場へ出向いて証明してもらうので手間がかかる
・公証人に手数料など、ある程度の費用がかかる
・2名の証人を依頼しなければならない

 公証役場の費用がかかる上に、形式や内容の不備によって無効になる危険性や、家庭裁判所による検認も必要なため、あまり利用されていないのが実態です。

  一般的には、自筆証書遺言か公正証書遺言を選択することになると思われます。当事務所では、安全性・確実性から公正証書遺言をおすすめしております。
 とはいえ、いきなりこれに取りかかるのは抵抗がある方も少なくないでしょう。まずは、遺言書をまとめる準備から始めて、自筆証書遺言を書いてみられてはいかがでしょうか。


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